簿記3級を独学で受けるかスクールに通うかは悩む人が多いかと思いますが、実は独学でも合格、なんなら高得点で合格することが可能です。
今回は実体験をもとに、簿記3級を高得点合格するコツをお伝えさせていただきます。
ちなみになぜ満点合格ではなく97点という中途半端な数字なのかというと、それが私が実際に獲得した点数だからです。
せっかくなら満点で記事を書きたかった…
おすすめのテキスト/簿記3級試験を受けた時の状況
はじめにおすすめのテキストや筆者が簿記試験を受けた時の状況をご共有させていただきます。
もしコツだけ読めたらいいという方がいらっしゃいましたら目次からとんでご覧ください。
おすすめのテキスト(参考書)
テキストは下記の2冊がおすすめです。
ホントにゼロからの簿記3級 『ふくしままさゆきのホントに』シリーズ
この本の特徴は、なぜこの仕訳になるのか?なんのためにこれを行うのか?といったWhyを丁寧に解説してくれているところです。
Whyが試験で出ることはないので他のテキストでは省略されがちですが、Whyがわかっていないとただの暗記ゲームになってしまうので、本当の意味で自分の力にならない可能性があります。
その点Whyを理解できれば、お金の教養が身に付くばかりでなく、腹落ちする分試験の問題に対する解答を自然に導き出すことができるようになります。
その意味で簿記に初めて触れる人にはまずはこの本を読むことをお勧めします。
この本を読まない場合でも、著者のふくしままさゆきさんはYouTubeをやられているので、学習中にわからない箇所が出てきたらピンポイントで動画を検索して補強学習するというやり方もできるかと思います。
スッキリわかる 日商簿記3級 [テキスト&問題集] (スッキリわかるシリーズ)
ゴエモンやクロキチといった猫のキャラクターたちが登場する本書。こちらも初心者向けに丁寧に解説してくれます。
このテキストの利点として、問題集がついてくるので実践的な学習ができるという点が挙げられます。紙媒体(ペーパーテスト)はもちろん、ネット試験の演習もできるので、試験を受ける前にチャレンジすることをおすすめします。
もしどちらか1冊だけで試験を乗り切りたいと考えている方がいらっしゃるなら、こちらの「スッキリわかる 日商簿記3級」の方をおすすめします。総合力が高く座学と実践をバランスよく鍛えられるからです。
試験形式:ネット試験
試験形式はネット試験を選びました。自分の好きなタイミングで試験を受けに行けるという利便性があるのと、普段から仕事でパソコンを使うのでネット形式の方が得意だろうと判断したからです。
実際試験を受けてみて、一般的なパソコン操作ができる人なら問題なくネット試験を受けられると感じました。試験後すぐに結果が出るのもネット試験の利点ですね。
学習期間:1年
「スッキリわかる 日商簿記3級」のテキストを購入したのが2021年5月10日。ネット試験を受けたのが2022年6月4日なので、学習を始めてから丸1年が経過したことになりますね。これだけ聞くとものすごく長く感じますが、なぜこれだけ時間がかかったかというのには理由があります。
最も大きい理由は、仕事やブログの合間のほんのわずかな時間を見つけて勉強を進めていたからです。忙しい日は全く勉強せず、時間がある時でもほんの10分程度しか学習せずテキストを閉じるということを繰り返していたので、必然的に長い時間がかかってしまいました。
これは個人的な意見なのですが、どれだけマイペースでも継続さえできれば目標は達成できると思っています。このブログもだいぶスローペースの更新ですが、毎日更新しようと無理をして結局辞めてしまうことに比べると、最終的には目標達成に近づけるのかなと思います。
なので忙しくて簿記の勉強時間が確保できないと諦めている方がいらっしゃったら、無理をせずマイペースに学習を進める方法をおすすめします。
2つ目の理由は、お金を払って試験を受けるからには確実に合格するレベルまで達してから臨みたいと思ったからです。
そもそもお金の教養を身につけるという目的があって学んでいたので、点数がイマイチのまま資格だけ取得できても素直に喜べないという事情もありました。
もちろん試験を受ける回数に制限はないので、トライアンドエラーの精神で何度も挑戦しながら力を付けるやり方もあると思います。
97点合格するコツ
ここからはいよいよ97点で試験に合格するコツについてお伝えしていきます。下記の。4点を抑えて試験に臨みましょう。
- どうしてそうなるのか?を突き詰める
- サクサク進め時間内に全問解き終わる
- 自信がない回答から順に見直しを行う
- 勘定科目は完全に覚えられなくても大丈夫
順に解説していきます。
どうしてそうなるのか?を突き詰める
「ホントにゼロからの簿記3級」のご紹介時にも書きましたが、やはり勉強にはWhy?が重要になってくると考えています。
どうしてこの取引はこの仕訳になるのか?そもそもなぜ仕訳をする必要があるのか?このあたりがわかっていないと、ただの暗記ゲームになってしまいます。
暗記を完璧にするには多くの時間がかかりますし、少しでも忘れると問題を解くことができなくなります。逆に問題に出てきている仕訳がどのような理由/どのような考え方でこの内容になっているかを理解できていれば、応用問題にも同じ考え方を用いて適切に対処できるようになります。
私はテキストの解説はもちろん丁寧に読み込みましたが、それだけではわからなかった部分は都度「法定福利費とは」といった感じで検索をかけて解説サイトを読むようにしていました。
テキストを主軸に、理解度に応じて検索で補いながら進めることで、Why?を腹落ちさせながら簿記の概念を自分のものにすることができます。それが試験での高得点にもつながるので、ぜひみなさんも「なぜ?」を意識してみていただければと思います。
サクサク進め時間内に全問解き終わる
制限時間内に全問解き終わることもとても重要です。簿記3級は60分間しかないため、のんびり解いていると確実に時間が足りなくなります。
難しい内容にはじっくり時間をかけたいし、できれば見直しもしたいですよね。それらを加味すると、やはりデフォルトはサクサクと手を止めずに問題を解き進めることが必要になってきます。
色々調べてみると、第3問を第2問より先に解いて、「第1問:15分」「第3問:25分」「第2問:15分」「見直し:5分」の時間配分がおすすめというのが大体の共通見解のようです。
時間配分は同意するとして、解く順番は必ずしも上記に従わなくてもいいのではないかなというのが私の意見です。
第3問は計算が多く発生して時間が取られるので、気づいたら第2問を解く時間が残っていなかったという事態にもなりかねません(ネットで模擬試験を受けたときの私はその状態でした)。なので両方の問題をさっと眺めてみて、どちらならサクサク解けそうか先に確認してからその問題に取り組む、でいいと思います。
実際の簿記3級受験時は、私は第2問の方が簡単に解けそうな気がしたので順番通りに取り組みました。
時間配分通りに解き終わるためには、当然ながら実際の試験形式で問題を解く練習を積む必要があります。
私は紙で1回、ネットで1回、計2回の実践形式での模擬試験に取り組みました。実際に60分間の中で問題を解く練習をすることで、どのくらいのペースで解ければ全問解き切れるかが実感を持って把握できます。
自信がない回答から順に見直しを行う
これも基本中の基本ですが、見直しはとても重要です。全問解き終わったら画面右下の「終了」ボタンを押せば早めに終えることができるのですが、自信があってもなるべく60分間ギリギリまで見直しを行うことをおすすめします。
私はラスト数分でミスに気づき慌てて修正したことで、97点まで点数を上げることができました。
もちろん時間に余裕がなく見直しの時間がほとんど残らなかった、という場合も考えられます。その時は特に自信がない箇所に絞って丁寧に見直しを行うといいかなと思います。
最後の一瞬まで諦めない姿勢は、簿記試験に限らず人生のあらゆる場面で役立つと信じています。
勘定科目は完全に覚えられなくても大丈夫
これはコツというより心配している方に向けたアドバイスなのですが、簿記3級に出てくる勘定科目を完璧に覚える必要はありません。
普段の生活には出てこないような勘定科目が、簿記学習中はたくさん登場します。例えば「租税公課」「貯蔵品」「法定福利費」など、漢字ばかりで全然覚えられない!と感じますよね。
私はこの勘定科目の暗記に苦労して何度も問題を解き直したのですが、実際の試験では勘定科目は選択形式になっていることがほとんどです。
なのでこの勘定科目が何を表していてどんな仕訳の時に使うのかを理解していれば、勘定科目そのものがうろ覚えでも選択肢の中から選ぶことができると思います。
逆に「雑益or雑損」「当期純利益or当期純損失」あたりは実際に記入させられることもありますが、このあたりは比較的暗記の難易度が低いので、学習を進めるうちに自然に覚えられると思います。また出題頻度が少ないので、記入ができなかったとしても大きなダメージにはならないでしょう。
勘定科目の暗記はほどほどに、まずはあらゆる仕訳についてしっかりと理解しながら学習を進めていくことをおすすめします。
独学でも簿記3級に高得点で合格できる!
以上のコツを踏まえていただくと、簿記3級の高得点合格は一気に現実のものになると思います。せっかく受けに行くのなら高得点を叩き出したいですよね。97点どころか満点で合格できたよという方がいらっしゃいましたらぜひコツをお聞かせください。
みんなで簿記を学んでマネーリテラシーを向上していきましょう!