日本人は英語が苦手です。TOEFL iBT®Test and Score Data Summary 2019によると、日本人のTOEFL iBTの平均スコアは72点でした(全然関係ないですがJapaneseとJavaneseって似すぎ…)。これはアジア圏の中でも最底辺付近の点数です。どうして日本人はここまで英語が苦手になってしまったのでしょうか。今回はその理由を自分なりに考察し、克服方法も考えてみました。
理由① 失敗を恐れる国民性
日本は恥の文化だとよく言われます。人前でトライアンドエラーを繰り返し誰かに笑われるのが怖いという感覚を皆持っているのではないでしょうか。しかし言語というのはまさに相手がいて初めて成り立つものです。英語も英語話者とのコミュニケーションに用いるツールなため、そのコミュニケーションの中で時に間違ったことを言いながらも英語力は磨かれていきます。日本は失敗して恥をかくことを避けるために始めから英語は喋りません、という意志を持っている人が多い印象があります。
これの克服方法としては、とにかく人前で恥ずかしい経験を重ね、その恥ずかしさに慣れるしかないかなと思います。挑戦には失敗がつきものです。歴代の偉人も皆何かしらに失敗しては批判や嘲笑を浴びています。偉人を目指しているわけではないという人でも、母国語以外の言語を習得しようと思ったら、うまくいかない恥ずかしさと向き合わなければいけません。
私の場合は学生時代人前でお笑いをやっていたので、その恥ずかしさに比べたら英語がたどたどしいことなどなんでもないと思えています。
理由② 学校での英語教育
学校での英語教育も、生きた英語を身につけるのには向いてなさそうです。過剰に文法を重視したり、一文一文を日本語に訳させたりと、コミュニケーションツールとしての英語からはずれているかなという印象があります。実際私がイギリスに短期留学したときも、日本人学生は文法問題は非常によく解けたものの、授業内での発言やディスカッションは他国の学生に大きく遅れをとっていました。他国の生徒たちは自信を持って英語で自分の考えを述べる力が身についていたのです。
例えばフランスでの英語の授業は英語で授業が行われると聞いたことがあります。教師も学生も英語で会話し、フランス語は使わないそうです。もちろんフランス語は英語に近いのでハードルが日本より低いということはありますが、ある言語を学ぶのにその言語だけを使って授業していくというのは理にかなっていると言えるのではないでしょうか。
日本でこれを真似しようと思うと、教師の英語力不足がネックになってきそうですね。いっそ英語の授業だけはネイティブの先生を呼んでその方に担当してもらうのが良いのではと思っています(私の中学高校は、英会話の授業だけネイティブの先生との英語だけのやりとりで行われていましたが、それ以外の英語関連の授業は全て日本人の先生でした)。本気で英語教育に力を入れるのであれば、ネイティブに限らずとも英語だけを教える英語が得意な先生を採用するのが重要ではないでしょうか。
理由③ 人口の多い島国
日本という国は、島国かつ人口が多い国です。必然的に日本国内でしか交流のない状態となり、外国語を学ぼうという意識が育たなかったのではないでしょうか。ビジネスの側面から見ても、人口が多かったのでこれまでは日本市場だけでやりくりすることができました。しかし今となっては少子高齢化で人口は減る一方であるばかりか、グローバル化で海外のジャイアント企業が容赦無く日本に進出してきています。もはや日本企業も、国内だけに目を向けているのでは立ち行かなくなってきているのではないでしょうか。
一方先ほどのフランス含め、他国と隣接しまくっているのがヨーロッパ諸国です。ヨーロッパでは3ヶ国語を話すトリリンガルや、もっと多くの言語を話す人たちも普通にいるそうです。要するにヨーロッパの人たちにとっては、外国語学習は習得不可能な難問ではなく、当たり前に行われているものという意識が強いのではないでしょうか。
日本もこのグローバル社会の中でとっくに世界中とつながっているんだという事実をしっかりと受け止め、英語は役にたつどころではなく必須の能力という意識を全員で共有していくことが必要だと考えています。
理由④ 日本語が難しすぎる
これはあまり他で聞いたことがない理由ですが、そもそも日本語が難しすぎるということがあるのではと思っています。日本語を構成する文字の数がまず圧倒的に多すぎます。ひらがな50音、カタカナ50音、漢字は無限大…(感覚値です)。これらの組み合わせで文章を作る必要があるので、日本語というのは相当高度な言語だと思います。この高度さゆえに、日本人は無意識のうちに「言語はとても難しいものだ」と思い込んでしまっているのではないでしょうか。
しかしここで思い出してほしいのは、アルファベットは大文字小文字を合わせてもたった52文字しかないという事実です。日本人がひらがなだけでやりくりしているくらいの文字数の少なさですよね。もちろんひらがなとは違って1文字の発音のバリエーションが豊かという特徴はありますが、それを差し引いてもどう考えても日本語よりはシンプルな言語と言えそうです。
なので私たちは一度冷静になって、日本語を使いこなしている自分が英語を覚えるくらいなんてことない、という感覚を持った方がいいのです。できると思って学習するのと、できないと思って学習するのでは、その効果の差は歴然です。日本語が難しい故に他の言語も同じくらい難しいはずだと思い込んでしまうのは仕方ないことですが、その誤った見方のせいでいつまで経っても英語が身につかないのは非常にもったいないことです。もっと肩の力を抜いて、大したことないマインドで英語学習に臨んでみましょう。
やれば英語は身につく
日本で暮らす私たちが普通に日本語を使いこなしているように、英語に触れる時間を増やせばその分英語力が身につきます。言語学習はそのくらい単純なものなのです。必要以上に難しく考えすぎず、まずは自分にあった学習方法を見つけられるように、色々試してみてはいかがでしょうか。私も現在進行形で英語と中国語を勉強中なので、バイリンガル、トリリンガルを目指して頑張っていこうと思います。
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