エディプスコンプレックス(父親殺し)が描かれる作品とその理由

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中田敦彦のYouTube大学が好きです。動画内で様々なテーマを扱っていますが、中でも神話シリーズが最近充実してきております。YouTube大学を観るまではほとんど神話の知識がなかった私ですが、いくつかの神話シリーズを観るうちに、「父親殺しの物語」への興味が湧いてきました。今回はそのお話です。

多くの人気作品で描かれる父親殺し

神話で何回も描かれる父親殺しはその後の多くの作品にも影響を与えているそうです。自分が知っている作品を思い返したところ、下記の作品が思い浮かびました。

  • スターウォーズ
  • カラマーゾフの兄弟
  • エヴァンゲリオン
  • 七つの大罪

映画、コミック、小説とその種類は様々ですが、ここに挙げていない作品でも父親殺しがテーマになっているものはまだまだありそうです。ここまで同じテーマの作品があるのにはどんな理由があるのでしょうか。

フロイトが提唱したエディプスコンプレックス

ここで私は大学時代に学んだあることを思い出しました。それは「エディプスコンプレックス」と呼ばれる、フロイトが提唱した概念です。フロイトと言えば心理学の分野の有名人ですよね。

エディプスコンプレックスを一言で説明すると、

男根期(およそ4歳~6歳)の男児が異性の親である母親に対して愛着を抱き、同性である父親に対して対抗心を抱いたりする無意識の葛藤のこと

エディプスコンプレックスの意味とは?男女の違いや解消・克服法

です。男児は最初は母親を手に入れようと近づくものの、後々父親に去勢されるのではないかという不安を感じて葛藤をするそうです。一方女児の場合は「エレクトラコンプレックス」という別名になるそうですが、男児の逆の状態になるとのこと。つまり父親に独占的愛情を抱き、母親に対抗意識を持つらしいのです。

私の場合は父親が一日中仕事で家にいなかったため母親にべったりだったので、正直あまりピンときていませんが、両親それぞれと触れ合いがある場合はこういう状態になるものなのでしょうか。

父親殺しの物語は共感を生む?

ここからは私の考察になりますが、幼少期に誰もがこのエディプスコンプレックスを抱いているのであれば、父親殺しの物語は無意識の共感を生んでいる可能性があります。特に幼少期の経験というのは「三つ子の魂百まで」ということわざがあるように、その人の人格や人生に大きな影響を与えます。かつて抱き心の奥底にしまいこんだ父親への葛藤が、父親殺しの物語を観ることで浄化され、カタルシスに変換されるのではないでしょうか。

また親を殺す行為はこの社会において最もタブーとされる行為の一つです。だからこそ物語という架空の世界の中で劇的に描かれることで、作品の山場を効果的に作り出すことができると考えられます。現実世界ではあってはならないからこそ、視聴者に無意識の共感と同時に、強い印象も与えることができると言えるでしょう。

脈々と受け継がれる神話

それにしても神話というものは、人間の歴史において最も古い時代に生み出された物語にもかかわらず、現代にも大きくその足跡を残していることがわかります。どれだけテクノロジーが進化しても、人間は本質的には変わっていないという証なのでしょうか。

これからも父親殺しの物語に出会ったときは、「神話の流れを汲むエディプスコンプレックスだ!」と好奇心を持って作品を楽しもうと思います。

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